No.23 明眸皓歯(めいぼうこうし)
歯にまつわる四字熟語で「明眸皓歯」(めいぼうこうし)という言葉があります。
瞳が澄んで(明眸)歯が白い(皓歯)という意味で、唐(現在の中国)の玄宗皇帝の寵愛を得て、皇后となった楊貴妃のことを指します。これが転じて美人を表す言葉として使われています。
この言葉ができるきっかけともなったのですが、玄宗皇帝は、楊貴妃の美しさに溺れてしまい政治を顧みなかったことで、大規模な反乱が起こりました。その結果、楊貴妃は扼殺されてしまいます。
非業の死を遂げた楊貴妃をしのんで、詩人である杜甫はこの悲劇を「哀江頭詩」(あいこうとうし)という詩の中で、「明眸皓歯今何処にか在る(明るい瞳と白い歯をしたあの美女は 今どこにいるのだろう)」と詠み悲しんだと言われています。
明眸皓歯と同義の言葉で「朱唇皓歯」(しゅしんこうし)という言葉もあります。つまり昔から美人と歯の白さは深い関係にあるようです。